KUSHIZZI PROJECT  櫛橋 茉由

KUSHIZZIPROJECTオフィシャルブログ

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別れ。またすぐ会える、きっとね。

 

 

5年前に、ある動画をYoutubeで見つけました。
私は日本で働いていて、ずっと海外でフェンシングを学びたかったのです。

そのために、仕事をしながら貯金をしていました。

 


私はずっと専門的な自分のコーチがいませんでした。

サーブルをやりたくても、できる場所がありませんでした。

 


当時の日本は、今のように国際的な実力もコネクションもありませんでした。

誰も世界と繋がっていませんでした。

 

ある夜、ふとした瞬間にレッスンのビデオを見つけました。
そこには若いコーチと、選手が二人。
見つけた時に、この人にフェンシングを学んでみたいと思いました。

 

初めてイタリアに行き、レッスンを受けた後は夢のようでした。
一年後仕事を辞めて、イタリアに渡ると決意しました。

 

それからは、二人のコーチが私にサーブルを基礎から教えてくれました。

そして、日本代表に選んでもらえる選手に育ててくれました。


あなたは何回も何回も、根気よく私にレッスンをし、言葉の通じない私に丁寧に教えてくれました。

 

今ではイタリア語は話せますが、初めは全く話すことができませんでした。

それでも、親切に日本人の私を受け入れてくれました。

 

あなたと過ごした4年間は、私にとっての宝物です。
欲を言えば、もっと早くに出会いたかったです。
あなたのおかげで、私は今ここまでこれました。


昨年の、全日本選手権は悔しかったです。

でも、日本で一緒に戦えたことが、日本に来て下さったことが、何より嬉しかったです。

 

 

私はあなたがアメリカに行くのが、とても嬉しいです。
あなたは素晴らしいコーチです。
新しい挑戦が素晴らしいものとなるように願っています。

 

 

あなたは、私の人生を変えてくれた。
そして、これから私は日本の未来を作ります。
間接的に、あなたは日本のフェンシングをより良くしてくれた。

 

将来は、あなたのようなコーチになりたいです。
アメリカで、美味しいご飯を食べすぎないでね。
また、日本に来てください。その前に、まず私がアメリカに行きます。

 

 

 

感謝の気持ちでいっぱいです。
本当に今までありがとう。

 

 

 

MAYU

 

 

 

 

コーチが旅立つのでお手紙を書いていた。

 

 

 

もうなんか、すっかり一人で感極まっちゃって。

 

 

 

そっか、全日本から帰って来たら、もういねえんだな。とか。

 

 

 

 

アメリカでご飯食べすぎないかな。とか。

 

 

 

ビール飲みすぎちゃあダメだよ。とか。

 

 

今の私は、彼に感謝を伝えられるイタリア語の力を持っている。

 

 

 

お手紙くらい余裕でかける。

 

 

 

これ、お手紙。イタリア語にしてちょっと簡単に書いたけどね。

 

 

見ず知らずの日本人を、迎えてくれた5年前。

 

 

 

2014年、初めて連絡をした。

 

Thank you! I'm Mayu Kushihashi.I'm 24years old.
I have a work in Japan. I'm a semi-professional fencer. and, I'm saber .

I want to go to learn fencing as two years.
Look at the video of you in YouTube, I was looking for a coach anywhere in the club.

finally, I contact for you.
If you have a moment, Can you tell me the saber to me?
There is work in Japan I still, I can't go yet in Italy.

Can you tell me online?
videos,e-mail,skipe...ete.

I will go to Italy always two years later!

I'm sorry to say impossible.

I leaning for you.

 

初めてのやり取りのメール。

 

 

オンラインでどうにかならないか聞いている。

 

 

働いていたからね。

 

2年後行きますって。

 

 

 

2019年だよもう。

 

 

 

 

人生がガラリと変わって。

 

 

 

 

なんか文法良く分からない英語だけど、言いたいことはわかるね。笑

 

 

 

 

私でこんなんなんだから、もうちっちゃい頃から一緒にやってるみんなは、

 

もう心痛いだろうなあ。

 

 

 

でもね、挑戦なんだよね。

 

 

そして、新しい人生を切り開くっていう時期。

 

 

お互いに、みんなそれぞれ。自分の新たな道へ歩んで行く。

 

 

離れるからといって、彼が私のコーチであることには変わりはないし、

 

 

私がGemima Schermaの一員であることに変わりはない。

 

これからも、私たちのプロジェクトはずっと交わり続ける。

 

 

一緒にフェンシングをし続けるだろう。

 

 

世界なんて小さいもんだ。

 

 

 

どこにいてもすぐに連絡できる世界だから。

 

 

 

 

また、アメリカで会おうねってことさ。

 

 

剣を持って行くよってね。

 

 

 

もうね、感謝の涙が止まらないんだ。

 

 

 

 

 

なんて幸せなフェンシング人生なんだろうって。

 

 

 

今まで本当に色々あって、大変なこともあったけど、

 

 

 

私のフェンシング人生は、最終的にイタリアに行き着いて。

 

 

 

 

そして、これからもきっとみんなで繋がり続ける。

 

 

 

 

だから、最後の全日本、もう思いっきり戦ってこようって。

 

 

 

 

 

あなたが私にかけてくれた時間を、

 

教えてくれた世界を、

 

 

連れていってくれた国々を、

 

 

 

これからは自分のためだけじゃなくて、

 

 

未来のために、みんなで色々やっていきたいなって。

 

 

 

 

 

 

日本にももちろん、帰る場所はあって。

 

 

その話はきっとそんなに遠くないうちにすることになるはずだけど、

 

 

今はコーチの門出を祝って。

 

 

 

 

 

いってらっしゃいと笑って言えるように。

 

 

 

私は、試合を頑張りまする。

 

 

 

 

 

 

 

 

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